記事作成日:2024/06/27
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本記事では、スイスを舞台としたfolk horrorゲーム『Mundaun』(開発元: Hidden Fields、パブリッシャー: Annapurna Interactive)を簡単にのみ紹介しています。
前置き
『Mundaun』とは
参考サイト:
あらすじ
レビュー
私自身の本作へのレビューに関しては、既にSteam上に投稿しているものを参照していただきたく思います(※レビューはここにリンクを貼っておきます)。レビューでもさんざん言っていますが、私としては取り立ててオススメできる作品では「ない」です。ただし、スイスが舞台のfolk horror作品ということで、一応、紹介だけでもしておこうと思った次第です。概要からして想像がつくかと思いますが、いわゆる「悪魔の橋」の伝説も形を変えつつ取り入れられている作品でもあります。とはいえ、何もかもが全くオススメできないというわけでもないし、作品でやろうとしていること、表現しようとしていることとその題材自体はかなり面白いものはあるということは強調しておきます。ただ全体的に惜しいところが目立ってしまっている作品だと私は思っているという感じです。広げた題材を捌き切れていないというか……。
作品の中では、「悪魔の橋」伝説然りですが、山というものの象徴性等々、とにかくスイス及び欧州圏のあらゆる伝説・民俗学的な要素がふんだんに取り込まれており、こうしたところの知識があると一層楽しめる内容にはなっています。また、スイスで有名な作家の一人であるイェレミアス・ゴットヘルフの作品『黒い蜘蛛(Die schwarze Spinne、1842年の作品)』もインスピレーション源となっていることは制作サイドからもはっきりと明言されているところでもあります。ちなみにこの『黒い蜘蛛』はゴットヘルフ作品の中でも特に有名なもので(ついでに言えば、「怪奇小説」というジャンルの歴史の中でも重要なもので)、キリスト教的な道徳と悪魔を絡めた内容になっています。物語の仕組みとしては「悪魔の橋」伝説と同じような展開構造を持っているものと言えるため、多分、そういった意味でも本ブログを読んでくださっている人たちには特におすすめできるスイス文学作品なのではないかと思うので、この場を借りてついでに紹介しておきます。
『黒い蜘蛛』についての書籍案内: