始めは全体の半分

為せば成るというやつですな。PC向け表示推奨です。

【狼の口】本編での時系列まとめ

ここでは、久慈光久著の漫画『狼の口《ヴォルフスムント》』の作品内での時系列の経過についてまとめ、考察してみました。第1巻辺りなどは特に細かな日時の推察がイマイチできていないので、「こうなのではないか」などありましたら、お気軽にお教えください。

 

本記事修正記録

  • 2020/03/07追記:「【2020/03/07追記】」と記載している箇所。
  • 2020/08/16修正:全体的に細かい箇所のデザイン部分の変更。
  • 2020/08/16追記:「【2020/08/16追記】」と記載している箇所および、表と補足部分に番外編「新兵ゾフィ」を追加。
  • 2020/08/16追記:「【2020/08/17追記】」と記載している箇所および、本当に微細なものはそういったものは付けていないが、insタグにて記述している。また、記事中で紹介した参考文献の詳細情報も末尾に追記した。
  • 2020/08/17修正:かなり微細なものなので、delタグにて記述している。たぶん、サイト上では打消し線で表示されているはず。その直後に修正文を挿入している。

 

目次(記事構成)

  1. 表で簡単に時系列をまとめたもの
  2. 表に対する補足
    本編から読み取れる日時及びキーワードから行った推察の詳細と主なできごと
    全体的にネタバレ要素があります。

 

『表に対する補足』には、さらに今回の時系列考察に役立つかと思われる更なる補足事項として、

という個別項目も文末に書いています。

 

また、末尾には本記事にて紹介した参考文献の詳細情報も挙げています。


 

表で簡単に時系列をまとめたもの

  • 狼の口』全話を対象としているため、ネタバレがあります。
  • 話数の順番は単行本での掲載順にしています。また、タイトル表記も単行本版のほうに従っています。【2020/08/16追記】
  • 各話タイトルから、別記事に分けているその話に関する補足項目に直接飛べるように設定しています。
  • 【2020/08/16追記】雑誌版と単行本版で月日の表記に差異がある箇所も散見されるのですが、これについては単行本化にあたって修正されたものとして、単行本版にのみ触れています。別記事にて差異一覧表を作成していますので、そちらをご参照ください。

     

    attendre-et-esperer.hatenablog.jp

     

話数・初出・収録巻 日時だいたい予想 大まかな出来事
第1話「リーゼとゲオルグ」

Fellows!』vol.3 / 第1巻

1308年~1312年のいずれか? 特定ほぼ不可能。 関所の恐ろしさを語る流れと、盟約者団の反抗の様子がちまちま
第2話「ヨハンナとクラウス」

Fellows!』vol.5 / 第1巻

第3話「ヴィルヘルムとヴァルター」

Fellows!』vol.7 / 第1巻

1312年?
第4話「ハンスとエヴァ(前編)」

Fellows!』vol.9 / 第2巻

1312~1315年のいずれか? 特定ほぼ不可能。
第5話「ハンスとエヴァ(後編)」

Fellows!』vol.10A / 第2巻

第6話「ツェーデルとユヴェール」

Fellows!』vol.12 / 第2巻

第7話「アルベルトとバルバラ(前編)」

Fellows!』vol.13 / 第3巻

1315年9月末日 1315年10月15日に決行する関所攻略を見越した上での活動を直接的に開始
第8話「アルベルトとバルバラ(後編)」

Fellows!』vol.14 / 第3巻

第9話「ヴァルターと命の同志」

Fellows!』vol.17 / 第3巻

第10話「ヘートヴィヒとヴィルヘルム」

Fellows!』vol.17 / 第3巻

1315年10月か?
第11話「ヒルデと牧童≪ヒルテンユンゲ≫たち」

Fellows!』vol.19 / 第3巻

1315年10月15日 峠の関所への侵攻開始
第12話「100年前の話~ローゼと子山羊~」

Fellows!』vol.15 / 第4巻

1200年代 100年ほど前の峠の悪魔の伝説の話
第13話「フリードリヒとレオポルト」

Fellows!』vol.21 / 第4巻

1315年10月16日~17日 峠の関所への侵攻開始
第14話「クルトと飛竜」

Fellows!』vol.23 / 第4巻

1315年10月末
外伝「ローマ教皇とスイス衛兵」

「Costume Fellows!」 / 第4巻

1500年代 200年ほど後のスイス傭兵の話
第15話「薪束と鉄砲」

Fellows!』vol.25 / 第5巻

1315年10月末 峠の関所への侵攻開始
第16話「東棟と西棟(前編)」

『Harta』vol.1 / 第5巻

1315年10月末~11月6日?
第17話「東棟と西棟(後編)」

『Harta』vol.2 / 第5巻

第18話「ヴァルターとヴォルフラム(前編)」

『Harta』vol.6 / 第5巻

第19話「ヴァルターとヴォルフラム(中編)」

『Harta』vol.7 / 第6巻

第20話「ヴァルターとヴォルフラム(後編)」

『Harta』vol.8 / 第6巻

第21話「ヨハンとベルタ」

『Harta』vol.11 / 第6巻

1315年11月(7日?~)8日 盟約者団戦勝祝
第22話「ハインツとロルフ」

『Harta』vol.13 / 第6巻

1315年11月8日(~9日?)
第23話「ハインツとシュヴァイツ農民軍(前編)」

『Harta』vol.15 / 第6巻

1315年11月8日以降~15日? シュヴァイツの関所侵攻
第24話「ハインツとシュヴァイツ農民軍(中編)」

『Harta』vol.17 / 第7巻

第25話「ハインツとシュヴァイツ農民軍(後編)」

『Harta』vol.18 / 第7巻

第26話「レオポルトとカタリーナ城(前編)」

『Harta』vol.20 / 第7巻

第27話「レオポルトとカタリーナ城(後編)」

『Harta』vol.21&23 / 第7巻

シュヴァイツの関所にて、盟約者団 対 レオポルトの軍勢の戦い
第28話「盟約者団とハプスブルク(その1)」

『Harta』vol.25 / 第7巻

第29話「盟約者団とハプスブルク(その2)」

『Harta』vol.27 / 第7巻

第30話「モルガルテンの戦い(その1)」

『Harta』vol.28 / 第8巻

1315年11月14日?または15日? オポルトの軍勢、シュヴァイツの関所周辺で野営
第31話「モルガルテンの戦い(その2)」

『Harta』vol.30 / 第8巻

1315年11月15日? モルガルテンの戦い
第32話「モルガルテンの戦い(その3)」

『Harta』vol.31 / 第8巻

1315年11月15日
第33話「モルガルテンの戦い(その4)」

『Harta』vol.33 / 第8巻

第34話「モルガルテンの戦い(その5)」

『Harta』vol.35 / 第-巻

第35話「モルガルテンの戦い(その6)」

『Harta』vol.37 / 第8巻

最終話「モルガルテンの戦い(その7)」

『Harta』vol.38 / 第8巻

1315年11月15日(+後日談) モルガルテンの戦い(+後日談)
番外編「新兵ゾフィ」

 『Harta』vol.40 / 『甲冑武闘』(短編集)

本編から数百年後の現代スイス 国民皆兵の兵役とスイスの独立性について扱った短編

表に対する補足

 ここでは、本編から直接読み取れる日時を抜き出す他、日時の推察ができるキーワードも抜き出し、必要があれば考察した事を書いています。
 また、各話モノローグ内で「14世紀初頭」「中世後期」といった言い回しはしょっちゅう登場するのですが、この物語は第一話時点ですでに14世紀の話であるので、大まかすぎるキーワードであるため、それらについて以降に一々取り上げる事はしていません。

第1話「リーゼとゲオルグ」:『Fellows!』vol.3 / 第1巻

  • オポルトが公弟閣下と呼ばれてオーストリア公として活動しているように見えるので、先代であり父でもあるアルブレヒト1世が既に死去した後(1308年以降)だと考えられる。ちなみに、1308年時、レオポルトはおよそ18歳、フリードリヒはおよそ19歳である。【2020/08/16追記】
  • ザンクトゴットハルトの峠がハプスブルク管轄下になった後。

    この作品で設定されている峠のこの位置に関所があったのかは不明(ハプスブルクの所有か否かに限らず)。もう少し北方のアンデルマットの近くの村には関所を設けていたようなのだが。作中で登場する関所の推定値は、たぶんピアッツァ湖のあたりではないかと思われる。【2020/08/16追記】

その他、ヒントになるかもしれない細かい推察

  • 作中、リーゼとゲオルクが、シュヴィーツの辺りから峠の関所に向かっている。また、女将の宿屋で一泊もしている。この一話だけでも数日は経過していると考えられる。
  • 冒頭、シュヴァイツのエルンストという、自由農民または指導権のありそうな富裕者らしき者が登場・死亡するが、特定できず。目立つ実在の人物でもなければ、テル伝説の類に出ている人物でもない? 創作かもしれない。実際の人物だとしたら、年代が特定できるのだが。

目立った事件

  • 不当な関所越えを目論んだリーゼとゲオルクの処刑。

第2話「ヨハンナとクラウス」:『Fellows!』vol.5 / 第1巻

その他、ヒントになるかもしれない細かい推察

  • 作中だけでも数日は経っていると思われる。夜間のウーリにて盟約者団たちが集う所から物語は始めるが、多分この直後の明け方近くにヨハンナは彼らと別れて老婆になる準備を始める。その上、ウーリから関所へと向かう間には(真っ直ぐに向かったとしても)数日が経過していると考えられる。女将の宿屋で一泊もしている。
  • 更に、作中、ヨハンナを関所で捕らえた翌日に、ヴォルフラムさんがレオポルトの居る城と関所を往復している。この往復だけでも数日を要すると思われる。
  • 少々物語本編からは脱線するが、本来はヨハンナが届けるはずだった指輪をドイツの商人が預かり、無事イタリアへと運んでいる。彼は本来はベリンツォナまでの旅程で良かったところを、もう少し足を伸ばしてルガノまで向かったのだという(※どちらも現在はスイス国内に含まれ、ミラノの北側に位置する)。簡単に見ても片道30キロ近く余分に歩くことになるので、彼の旅程も全体でみて【2020/08/16追記】往復1週間近くは余計に増えただろうと思われる。
  • ただし、2話中にリーゼとゲオルグの死体と思しきものの描写が見られる(※1巻91頁)。これが本当に2人の死体だった場合、死体の形がある程度綺麗で崩れてないことも含め、1話と2話間の月日の経過はそう大きく開いてないものと考えられる。

目立った事件

  • 不当な関所越えを目論んだヨハンナの死亡。多分、レオポルトの城でもクラウスは拷問の後に処刑されているのではないか、と思われる。
  • 盟約者団の資金の元手となる証明用の指輪が無事にイタリア方面へと運ばれる。

第3話「ヴィルヘルムとヴァルター」:『Fellows!』vol.7 / 第1巻

  • 回想シーンにてテル伝説の代官・ゲスラーが登場。モノローグ曰く、テルやゲスラーが活躍したのは「五年前」とのこと。1550年前後にチューディが書いた歴史書『スイス年代記』では、彼らの活躍時期は1307年の事であるとされている。これを採用すると、3話時点で1312年なのではないか、という推測ができる。

    有名なシラー著『ウィリアム・テル』は、バウムガルテンの代官殺し~アルブレヒト暗殺までを大まかに描いているのだが、これら全てが3週間の出来事としてまとめられている。本来は、シラーの時代の歴史書の中では、バウムガルテンの代官殺しは1306年、アルブレヒト暗殺は1308年の出来事とされていたので、2年間の出来事だった。仮にシラーの記述のほうを採用して考えた場合(尚且つアルプレヒト暗殺を軸とした場合)は、3話時点で1313年である可能性もある。【2020/08/16追記】

    また、念の為に書いておくと、ウィリアム・テルとは、現在(※19世紀以降~)では架空の人物が英雄として生み出されたものだとされている存在である。つまり少なくとも『狼の口』の世界観では、彼は実在の人物として登場している。しかし、その死に方などは伝説とは異なる道を辿っている。伝説上のテルは、老いた後、川で溺れた子供を助けて自分が死ぬ。
    さらについでに補足しておくと、例えばシラーの『ウィリアム・テル』などでは、ゲスラーはここで描かれているほど極端に残忍な人物ではないので、性格がさらに悪い方に脚色されているのが分かる。

その他、ヒントになるかもしれない細かい推察

  • 冒頭、関所越えをしようとした親子が登場。拷問シーンの上、処刑も執行される。多分、この描写だけでも半日~1日は経過。
  • テル父子、女将の宿屋で1泊の後、登山開始。どの程度遠回りをしているかにもよるが、名前が挙げられていたプローザ山に限れば、登山は多分、往復でおよそ4時間半(~それ以上)を要していたのではないか、と思われる(※ただしこれは現在の登山者がザンクトゴットハルト峠周辺~山頂を往復するのにかかるおおよその時間である条件が現代と14世紀では大きく異なることは分かっているが、一応参考として挙げておく。【2020/08/16追記】。かなり無茶な登山をしているテル親子がどの程度時間をかけているのかは、分かったものではない)。
  • テル親子が落下した後、ヴォルフラムさんはレオポルトの城に行っている。捜索及び城への片道で少なくとも数日は経過している。
  • 落下後、ヴァルターは一人でルガノに到着。どれだけの日数が経っているのかは分からない。

目立った事件

  • 不当な関所越えを目論んだ名も無き父子が処刑される。だが、息子の方のその後の消息は不明。
  • テル父子、関所の東側の山を通過して領土を不当に越えようとするも、露見。テル死亡。ヴァルターは生き残り、イタリアへと行く。

第4話「ハンスとエヴァ(前編)」:『Fellows!』vol.9 / 第2巻

その他、ヒントになるかもしれない細かい推察

  • 冒頭、ウンターヴァルデンの槍組の要の拷問・処刑シーン~ハンスが修道院で密告し、外で村の男とやり取りするまでに、2日間が経過。
  • 市のシーン~ラストまでは多分1日間の出来事か。
  • 上記2つの間に1日以上の日時の経過があるのかは不明。

目立った事件

第5話「ハンスとエヴァ(後編)」:『Fellows!』vol.10A / 第2巻

その他、ヒントになるかもしれない細かい推察

  • ハンスとエヴァ、翌朝(?)~レオポルトの城へ移動。少なくとも、数日はかかると思われる。
  • 門前払いを受けた後、イタリア方面へ向かうべく峠を目指す。ここでも少なくとも数日は経過するはずである。
  • 関所でも足止めをくらい、女将の宿屋で1泊。その日の晩には盟約者団に殺される。

目立った事件

  • ハンスとエヴァが私刑され、死亡する。

第6話「ツェーデルとユヴェール」:『Fellows!』vol.12 / 第2巻

  • 【2020/03/07追記】作中でツェーデルが湖の水に触れながら、「夏だっていうのに 何だってこんなに冷たいの?(2巻132頁)」と独白する箇所があるため、季節は夏であるのは確実である。
    よって、次の第7話が「1315年9月末日」なので、6話~7話は1カ月~数カ月程度の間がある程度というだけなのかもしれない可能性もある。
    ただし、そうすると7・8話においてヴォルフラムさんがアルベルトとバルバラの生け捕りを画策することもしなかったことが納得しにくいのではないかと思いもする。つい最近に南から来た盟約者団の息がかかっているのは確実であるユヴェールを取り逃してしまっているのに、それから間もなく再び南から訪れてきた2人に対して尋問の意思を放棄しているということは考えにくいと思うためである(とはいえ、話の構成・テーマの問題でそれを省いたという読み方もできるのだが)。

その他、ヒントになるかもしれない細かい推察

  • 冒頭、イタリア方面から関所を通って来た盟約者団が、アンデルマットにて仲間と合流する。ヴォルフラムさんは彼らを捕らえた後、レオポルトの城に送っている。捕縛から直接城へと向かっても数日以上の旅程は挟んでいるのではと思われる。
  • ヴォルフラムさん、レオポルトの城から峠の関所へ移動。荷物は特に無く、馬での移動だが、やはり数日はかかっているだろう。
  • ツェーデルとユヴェール、ベリンツォナでの芸披露~修道院に1泊。1日間の出来事かと思われる。翌朝には峠の関所へ向けて出立。関所にたどり着くまでに数日以上はかかっていると思われる。更に、関所での取り調べの為にここで1泊。翌朝にはユヴェールのみドイツ方面へ。ツェーデルはこの晩に関所越えを試みて失敗、死亡。翌朝にユヴェールはドイツ方面へ出発。この日の晩(?)には山道でウーリの頭や女将さんと合流。峠からアンデルマットまでは距離があるので、どちらかに偏った場所に居たとしても、ウーリの頭を呼ぶのには数時間は必要だったはずだと思われる。
  • 上記翌朝(?)、女将さんは宿屋に帰宅。ヴォルフラムさん曰くひと晩も宿を空けていた。また、ツェーデルは二晩ほど湖に沈んでもらっている、という事なので、ユヴェールが関所を越えてからこの日までに二日間が経過している事は確実である。
  • 上記の宿屋帰宅の日~数日以内には女将は処刑されたと思われるが、不明。
  • 処刑された女将の死体が朽ちている様子が描かれるが、処刑からどれほど経っているのかは不明。烏に突かれたくらいで特に酷い腐敗は見られない事から、処刑直後からあまり日数は経っていない時点なのかもしれない。

    【2020/08/16追記】また、彼女の死体に処刑以前に作られたのだろう外傷が目立っては存在していないように見えるため、あまり大がかりな拷問の類(または執拗に拷問を重ねるなど)は行われないままに処刑されたのではないかと思われる。

  • ラストでヴァルターくん再登場。3話ラスト時点では酷い凍傷を負っていたが、完全回復した後のように見えるので、それだけの時は経過したのだろうか。次の7話以降の展開から考えるに、1315年某月ではないかと思われる(またはその1年くらい前か?)。少なくとも、3話時点と同じ、1312年(?)ではないだろう。ただし推測の域を出ないため、表では「1312~1315年」のいずれか、としている。

目立った事件

  • ユヴェールの関所越え成功。イタリア方面の盟約者団の準備が整った事を、領内の盟約者団も知る事ができた。
  • 不当に関所越えを目論んだツェーデルが処刑される。
  • ユヴェールを助けたグレーテの実態が関所に露見し、処刑される。
  • 第2話で登場し、イタリアの盟約者団たちに指輪を届けたドイツの商人が再登場。再びイタリア方面へと向かう途中、グレーテの死亡を知る。この時点で1315年である場合は、【2020/08/16追記】多分この時に、後に用いられる自爆兵器を運んでいたのだろうと思われる。

第7話「アルベルトとバルバラ(前編)」:『Fellows!』vol.13 / 第3巻

  • 「来たる10月15日に〔……〕"狼の口"を攻略し〔……〕取り戻す」と言っているので、今後の展開の流れを踏まえると、この時点で1315年だろう事がわかる。
  • 「決行は9月末日」とあるので、アルベルトとバルバラの関所特攻は1315年9月末日だという事がわかる。

その他、ヒントになるかもしれない細かい推察

  • 冒頭~アルベルトとバルバラ、ヴァルターの出立まで、どれほど経過しているのか不明。ルガノ~峠の関所までは、数日以上の旅程を挟むと思われる。
  • 「前通った時には関所なんてなかった」とアルベルトが言っているので、彼らの回想直後(または数年後か)には、まだ関所は無かった。

彼らの回想時点では、彼らは一回りも二回りも小さい子供だった(※見た印象では10歳前後か。少なくとも5,6年前くらい?)ようだが、ヴォルフラムさんは既にハプスブルクを主君として、その下で働いていたようにうかがえる。関所の代官になるよりも昔とのこと。

 

【2020/03/07追記】兄妹が過去にイタリア方面へ南下したのは1308年ごろか?:関所内に入ったアルベルトがヴォルフラムさんに対し、「前に通った時は 関所なんかなかったからな(第3巻25頁)」と発言している。彼らが前にこのあたりを南下してイタリア方面に行ったのは身売り後(少なくとも親死亡後)である。
かつてヴォルフラムさんの指揮によって両親が処された年代は不明ながら、2人の見た目が10歳前後であること、ヴァルターと大して歳の差がなさそうであることを踏まえて当記事の『チューディの歴史書『スイス年代記』に書かれているテル周辺の出来事についてのまとめと、伝説と『狼の口』のテル父子の年齢についての考察』を応用して考えるに、2人が親を失ったのはゲスラー死亡前後ごろ(=1304~1308年)ごろかと思われる。アルブレヒト1世死去前の混乱期のさなかに起きたのか、逆にアルブレヒト1世死去後の混乱期に起きたのかでだいぶその事件のあらましも変わってきそうだが、作中から察することは不明。
伝説上で「代官たちが追い出された(=不在になった)」とされる1308年にイタリア方面に南下したと考えるのが無難かとも思うが、第1話の開始が下手をすると1308年なのを考えると、だいぶギリギリの設定になってしまうため、いかんとも言い難い。
また、史実の方面から話をすると、峠の関所のモデルとなっているのだろう関所は実際にあり、アンデルマットから南下した所にあるホスペンタールのあたりにあったとされる。ここを少し南下した場所に1233年ごろからハプスブルク家が税関を所有していた。1291年にはルツェルン市を購入した後、ゴッタルト峠~ルツェルン間の交通路としてここでの関税徴収を重視していたのである(※ちなみに『狼の口』で設定されている関所の場所は、ホスペンタールを6キロほど南下したブローザ山とフィッピア山の山間のあたりである)。
よって、それを考えると、まるで関所がなかったような言い分には納得しかねるところがあるのだが、上記でも触れたように、「代官たちが追い出された」という伝説のある1308年ごろならばそういった言い分も可能になるのではないかと思われるのである。が、もちろん、推測の域を出ない余談である。

目立った事件

  • アルベルトとバルバラ、2人だけで関所へ特攻する。
  • 2人の回想の中で、代官になる前らしいヴォルフラムさんの姿が描かれる。

第8話「アルベルトとバルバラ(後編)」:『Fellows!』vol.14 / 第3巻

その他、ヒントになるかもしれない細かい推察

  • 前回の関所内での事~アルベルトとバルバラの死亡までは、あっても数十分(~数時間)程度の出来事だと思われる。
  • 直後に二人の死体が晒されているが、この描写の時点で上記からどれだけの時間が経っているのかは不明。関所特攻の当日ではないかと思われる。
  • 二人の死体を曝した直後、山の監視小屋伝手に「賊の侵入があった」という報告がされる。曰く、二人が関所で暴れていた頃には報告されていたとの事。

目立った事件

  • 関所に特攻したアルベルトとバルバラ、処刑される。
  • バルバラと戦い、2人の処刑をしたことで、1話以降格下げされていたらしいブルクトーが門衛の長に返り咲き。ついでにヴォルフラムさんの護衛も務める事に。

第9話「ヴァルターと命の同志」:『Fellows!』vol.17 / 第3巻

  • 先の7、8話と同時進行に進む話。アルベルトとバルバラが関所で活躍している間に山を越えて領内に侵入するヴァルター視点の話。その為、同じく時期は1315年9月末日になる。

    扉絵のルート説明で関所の東側を通っているらしい事から、3話で山を越えた時のルートと殆ど同じものだったのではないか、と思われる。

  • ヴォルフラムさんが3話の出来事を「先年」と表現。先年は普通、「何年か前の年」を意味する。3話の年は判明しているので余談メモになるが、一応。

その他、ヒントになるかもしれない細かい推察

  • 冒頭~ヴァルターの登山描写までに描かれている過去回想内の具体的な日付は不明。ヴァルターとアルベルト、バルバラの3人が出立する直前のように思われるので、1315年9月中ではないかと思われる。
  • ヴァルターの登山描写は数時間程度の出来事だと思われる。登山については3話についての説明個所にも言及しているので、ここでは省く。だが、3話よりもさらに無茶な登山をしているようなので、その時よりもずっとさっさと山越えをしているのかもしれない。
  • ヴォルフラムさんが山の監視小屋でそこにいた兵から報告を聞いたのは、当日の夕方頃(※先の話の二人を始末したその日の夕方)かと思われる。
  • この日の夜には、ヴァルターはどこかでウーリの頭たちと合流しているようである。

目立った事件

  • ヴァルターが関所の東側の山を登って領域内に侵入する。

第10話「ヘートヴィヒとヴィルヘルム」:『Fellows!』vol.17 / 第3巻

その他、ヒントになるかもしれない細かい推察

  • 冒頭、ヘートヴィヒらの家にヴォルフラムさんが辿り着くが、前回から何日経過してるのかは不明。少なくとも、峠からウーリ山中に行くだけでも数日以上は経過しているはず(探し回ったという旨の発言もあるし、移動の面からそのように考えられる【2020/08/17追記】)
  • 一晩中、家の中でヘートヴィヒとヴィルヘルムに拷問。翌朝、関所へ連れていくと発言。しかし、直後にヴォルフラムさんはレオポルトの城へ行っているので、ここでまた数日はかかっているのではないかと思われる。関所に戻るのにまた更に数日以上を要しているはず。
  • 関所にてヘートヴィヒとヴィルヘルムの処刑執行。家での出来事(※または家に向かった時点)~この日まで何日経過しているかは不明だが、用意された狼が10日間の間食事を与えられなかったらしいので、狼を集めてくる過程なども考えると、10日以上は経過しているのではないかと考えられる。
  • 処刑自体は一晩の出来事である。

目立った事件

  • シラーのテルでは主役級の扱いだったヴァルターの祖父、反抗した事によって殺され死亡。母と弟は処刑によって死亡。
  • オポルトバイエルン公との諍いの一環で兄の加勢をするため、オーストリアへ。以降、11月になるまではスイス方面には戻ってこない。

第11話「ヒルデと牧童≪ヒルテンユンゲ≫たち」:『Fellows!』vol.19 / 第3巻

  • 狼の口攻略作戦』が実行される。7話でも言われていた通り、また作中のモノローグで明かされた通り、この時点で年月は1315年10月15日であることがはっきりと分かる。もっといえば、それはこの日の深夜に決行された。

その他、ヒントになるかもしれない細かい推察

  • 開始早々に関所の南の砦は真っ先に潰される。1時間も要していないように思われる。
  • ヴァルターとヒルデなどが、決死隊として北の砦に乗り込む。北の砦もこの日の夜の内に陥落。

目立った事件

  • ヒルデ初登場。
  • タイトルにも含まれているので書いておくが、ヒルデのお供である牧童ら2人は北の砦特攻中に死亡。
  • 狼の口攻略作戦』実行。南北の砦を撃破。

第12話「100年前の話~ローゼと子山羊~」:『Fellows!』vol.15 / 第4巻

  • 一話丸々、本編よりも昔の回想。モノローグにて、「100年前」「13世紀初頭」の記述がある。

    史実上の峠開通の説は複数存在する。『狼の口』本編で採られているものに一番近い説を採用すれば、開通は、1218~1225年ごろと仮定できるだろう(※100年というのがあくまでもざっくばらんな単位として用いられていることは要考慮の必要があるという大前提はある【2020/08/17追記】)。だが、この説は、峠が開通し、恒常的に利用されるようになった故に記録にみられるようになったのだ、とする考えがあるため、実際はこれよりも昔に出来ていたとも考えられる。(参考図書:『スイス独立史研究』 ※詳細

目立った事件

  • 現在関所が立っている場所にあった湖が埋め立てられ、人が通れる道ができるまでの話。この時以降から峠の悪魔の呪いが発生したとされる。しかし、実際に伝わる伝説とは少しズレがある(※本来は、悪魔の力によって峠の近く(アンデルマットの北方)に橋が建てられたとするし、悪魔は人間に裏切られた代償を求めたりはせず、悔し紛れに叫んだりするばかりである。この手の物語は普通、悪魔を上手くこき使った狡賢い人間、というように描かれる)。

第13話「フリードリヒとレオポルト」:『Fellows!』vol.21 / 第4巻

  • ノローグにて、「翌朝 イタリア側領外盟約者団同志たちは ヴォルフラムが立て籠もる本城への攻撃を開始した」とあるので、1315年10月16日だと分かる。
  • 中盤、関所攻略一時撤退後、再びモノローグにて「翌日」と述べられている事から、17日になった事がわかる。

目立った事件

  • 関所本体への攻撃開始するも、南北側の盟約者団共に返り討ちに遭い、一時撤退。
  • 南北の盟約者団が通じようとするも、通路としていた西岸の崩落。
  • 場面転換し、フリードリヒとレオポルトオーストリアにて領内平定の為の戦争をしている様子も描かれる。ちなみに作中で把握出来る限りでも、2日間の様子が描かれている。1日目にはどこか開けた野外で戦争を行っており、2日目には反乱分子の城を攻めている。だが、移動なども考えると、それ以上の日数がかかっている場合もある。

第14話「クルトと飛竜」:『Fellows!』vol.23 / 第4巻

  • 日時の経過不明。連続して続く第15話が「10月末」とされているので、この日もそれにあてはまると思われる。
  • 1話丸々数時間内の出来事だと思われる。

その他、ヒントになるかもしれない細かい推察

  • 第13話~第14話の間にも、特に何の事件もないが、約1週間くらい籠城戦が続いていたと思われる。

目立った事件

  • 関所北側にて、凧作戦。クルト、夜の視野の悪さを利用し、関所内へ侵入成功。北門の跳ね橋を下ろす。
  • 捉えられたクルトは、盟約者団の目の前で処刑される。
  • 関所南側(※イタリア側)にて、自爆手砲にて南門が強制突破される。
  • 第2話と第6話で登場していたドイツの商人が再び登場。武器商人として、イタリア側の盟約者団に特攻兵器を譲渡した旨が語られる。6話からずっとイタリア方面に滞在していたのかどうかは不明。ただし、領内の盟約者団たちは武器の存在を知らなかった事から、ずっと滞在し続けていた可能性がある。

外伝「ローマ教皇とスイス衛兵」:「Costume Fellows!」 / 第4巻

目立った事件

  • 一話丸々本編よりも未来の話。スイス人が傭兵として活躍する事になった物語。且つ、スイス人傭兵が法王の傭兵となるまでの話。

第15話「薪束と鉄砲」:『Fellows!』vol.25 / 第5巻

  • ノローグにて「1315年10月末」。第14話から直接続く。
  • 1話丸々数時間内の出来事だと思われる。

目立った事件

  • 解放された南門から続々と盟約者団が侵入。
  • ブルクトー他が奮闘する中、ヴォルフラムさんは関所建物内西塔に籠城。ブルクトー死亡。
  • 盟約者団、北門の第1鉄格子を開通させる。南北の盟約者団が合流する。
  • 関所建物への侵攻開始。早々に東塔攻略。</>

第16話「東棟と西棟(前編)」:『Harta』vol.1 / 第5巻

  • 日時の経過不明。表は、第22話の日時から逆算したものを記している。1話まるまる数時間程度の出来事か。第15話から直接続いていると思われるため、やはり1315年10月末かもしれない。ただ、10月末という記述がぼんやりし過ぎているため、この間に日を跨いだとしたら、11月になっている可能性もある。その為、表ではこのように表記した。

目立った事件

  • 盟約者団、東塔に居た兵らを皆殺しにしながらヴォルフラムさんを探すも、その間にヴォルフラムさんは東塔の南北の回廊を破壊。西塔を孤立化させる。
  • 盟約者団、第2北門も開通させ、関所外側で待機していた者達も通れるようにする。
  • 盟約者団、西塔正面出入り口(三点)から攻め始める。代官お立ち台は途中で中止、南北の通用口からの侵攻に臨むも、難航し中止する。

第17話「東棟と西棟(後編)」:『Harta』vol.2 / 第5巻

  • 日時の経過不明。表は、第22話の日時から逆算したものを記している。1話まるまる数時間程度の出来事か。第16話から直接続いている。

目立った事件

  • ヴァルター、窓からの侵入を企てる。それに合わせて第16話で行っていた通用口からの侵攻計画も再開し、ヴァルターのための囮となる。
  • ヒルデ、ヴァルター、西塔内に侵入成功。その窓から他の盟約者団たちを引き入れる。お立ち台・南北通用口からの侵攻も可能になる。
  • ヴォルフラムさんの部屋公開。
  • 西塔も攻略され、関所陥落。

第18話「ヴァルターとヴォルフラム(前編)」:『Harta』vol.6 / 第5巻

  • 日時の経過不明。表は、第22話の日時から逆算したものを記している。1話まるまる数時間程度の出来事か。第17話から直接続いている。

その他、ヒントになるかもしれない細かい推察

目立った事件

  • 盟約者団、16話の時と同様、西塔に居た兵らを皆殺しにしながらヴォルフラムさんを探す。
  • ヒルデ、ヴァルター、隠し部屋を発見。ヴォルフラムさんと臨戦。ヒルデ死亡。

第19話「ヴァルターとヴォルフラム(中編)」:『Harta』vol.7 / 第6巻

  • 日時の経過不明。表は、第22話の日時から逆算したものを記している。今回はヴァルターとヴォルフラムさんの戦闘シーンで一貫しているため、1話まるまる数十分程度の出来事か。第18話から直接続いている。

目立った事件

  • ヴァルターとヴォルフラムさん、引き続き隠し部屋にて臨戦。ヴァルター勝利。

第20話「ヴァルターとヴォルフラム(後編)」:『Harta』vol.8 / 第6巻

  • 具体的な日時は不明。表は、第22話の日時から逆算したものを記している。数時間の出来事か。第19話から直接続いている。

目立った事件

  • ヴォルフラムさんへの処刑(私刑?)執行。

第21話「ヨハンとベルタ」:『Harta』vol.11 / 第6巻

  • ノローグにて「関所攻略二日後」とあるが、具体的な日時は不明。表は、第22話の日時から逆算したものを記している。今回の話は一日間の出来事。
  • 次の第22話時点で1315年11月8日らしいと明かされるが、この回での飲み会の日の描写がそちらでも行われている為、この日も同じく1315年11月8日(※途中、日が跨いだとすると、11月7日の可能性もある)と考えられる。

その他、ヒントになるかもしれない細かい推察

目立った事件

  • 関所を北上してすぐのアンデルマット(※ウーリの村)にてヴォルフラムさんの死体を曝しつつ戦勝祝い。
  • 盟約者団達が戦勝祝いをしていた頃、アルプス山中の監視小屋(※複数個ある)では、事態を知らない雑兵たちがどうする事もできないまま、(この日の晩のうちに?)ひっそりと息絶える。関所攻略開始から今日までずっと居た模様。

第22話「ハインツとロルフ」:『Harta』vol.13 / 第6巻

  • 冒頭、モノローグにて、モルガルテンより「合戦七日前」とあるので、1315年11月8日だと思われる。合戦とは、モルガルテンの戦いを指す。ただし作中で日が跨いでいる可能性もあるため、表ではこのようにした。

目立った事件

  • 21話に引き続き、戦勝祝いが続く。
  • ウーリ、シュヴィーツウンターヴァルデンの頭を中心に、これからの戦略を固め始めた後、三邦にそれぞれ配置されている代官と、その力添えをしている教会を各個撃破すべく、関所突破に関わっていた人々はそれぞれの配置に散らばって行く。

第23話「ハインツとシュヴァイツ農民軍(前編)」:『Harta』vol.15 / 第6巻

  • 日時の経過不明。だが、アンデルマットないしそこをさらに南下した場所にある関所から武器を運びつつシュヴァイツへ移動するのには、数日を要したと思われる。関所攻略開始~終わりまでは数時間の出来事か。第23話~第25話は1日間の出来事である可能性もある。(※ただそれだとあまりにも簡単すぎるので、数日がかりだったと思う方が現実的だが。)

目立った事件

第24話「ハインツとシュヴァイツ農民軍(中編)」:『Harta』vol.17 / 第7巻

  • 日時の経過不明。日を跨いでいる描写は無いので、数時間の出来事になっているのだと思われる。第23話~第25話は1日間の出来事である可能性もある。(※ただそれだとあまりにも簡単すぎるので、数日がかりだったと思う方が現実的だが。)

目立った事件

  • 第23話から引き続き、シュヴァイツの関所へ侵攻。
  • オポルト率いる大軍がスイス方面へ戻る道中にあるらしい事が語られる。
  • シュヴァイツの盟約者団、内部の不穏分子を排除。

第25話「ハインツとシュヴァイツ農民軍(後編)」:『Harta』vol.18 / 第7巻

  • 日時の経過不明。日を跨いでいる描写は無いので、数時間の出来事になっているのだと思われる。第23話~第25話は1日間の出来事である可能性もある。(※ただそれだとあまりにも簡単すぎるので、数日がかりだったと思う方が現実的だが。)

目立った事件

  • 第23話から引き続き、シュヴァイツの関所へ侵攻。主塔も攻略。
  • シュヴァイツの関所の代官とその妻子登場。捕虜として捕まる。

    シュヴァイツ代官の名前が、ヨアヒム・フォン・ミューレンドルフであると明かされたが、実在の有無などは不明。

第26話「レオポルトとカタリーナ城(前編)」:『Harta』vol.20 / 第7巻

  • 日時の経過不明。25話からそのまま続いているが、数日経過した後かもしれない。

目立った事件

第27話「レオポルトとカタリーナ城(後編)」:『Harta』vol.21&23 / 第7巻

  • 日時の経過不明。モノローグにて、「ハプスブルクの軍勢は到着ののちひと晩を置いて」「翌日攻撃を開始」とあるが、具体的な日時は不明。少なくとも、26話ラストから27話の間に一晩を挟む。作中の描写自体は数時間の出来事か。

目立った事件

第28話「盟約者団とハプスブルク(その1)」:『Harta』vol.25 / 第7巻

  • 日時の経過不明。数時間の出来事か。

目立った事件

第29話「盟約者団とハプスブルク(その2)」:『Harta』vol.27 / 第7巻

  • 日時の経過不明。数時間の出来事か。

目立った事件

第30話「モルガルテンの戦い(その1)」:『Harta』vol.28 / 第8巻

  • 日時の経過不明。
  • 引き続きレオポルトの軍団が野営している事から、前回の日の夕方~深夜間の出来事かもと思われる。「モルガルテンの戦い(その3)」が1315年11月15日である為、この日も同様に11月15日であるか、あるいは、就寝準備をしているためその前日である可能性がある。就寝準備が描かれている時点で何時なのかは不明であるので、表ではこのようにした。

目立った事件

  • 前回から引き続き、レオポルトの軍団、シュヴァイツの関所周辺で野営中。
  • オポルト、やって来た盟約者団の伝令役の者2名を捕らえ、これを尋問の後、処刑する。
  • アインジーデルンに至る道中に盟約者団の集団が見受けられた事がレオポルトに伝えられる。冒頭で伝令役が言っていた、ウーリとウンターヴァルデンからの援軍のことかは不明(だとしたら、どうやってシュヴィーツを越えたのかが謎すぎるので、シュヴィーツの盟約者団が二手に分かれていたと考える方が無難か)。

    作中、アインジーデルン修道院にレオポルトの親戚が居る、といった描写がある。1285年以降この修道院とその領地の守護権はハプスブルクのものになっていた為、親戚に当たる人物が院長を務めていても不思議ではないものの、史実ではどうだったかは不明。ちなみに14世紀に入ってからこの修道院シュヴィーツの中はいよいよ険悪なものとなっており、争うようになっていた。1314年には修道院に押し入り、修道士たちを数か月間に渡って拘留するという事もした。そして翌年11月にレオポルトシュヴィーツ討伐に乗り出す。つまり、史実上のモルガルテンの戦いの原因は、本来は、シュヴィーツとアインジーデルン修道院が中心にあったのである、という事を、この場を借りて補足しておく。ただし、『狼の口』ではそうした問題が語られることもなく、かなりついでの立場にしか置かれていない点に於いて(※エーゲリ湖を通るという事は、アインジーデルン方面には行かなかった、ということになる。史実の場合は北方からアインジーデルンに向かっていることになるので、途中でエーゲリ湖を通る必要があることが分かる)、史実とは大きく異なっている様子が窺い知られるのである。

第31話「モルガルテンの戦い(その2)」:『Harta』vol.30 / 第8巻

  • ノローグにて、「夜半 シュヴァイツの街を〔……〕軍勢は出発」かつ「軍勢は街道を北へ進み、朝には分岐点に達した」とあるので、前回一晩休んだ後、日も上がらぬうちに出発したのだと思われる。この距離だとひどく時間がかかるという事もないだろうから、日を跨ぐ前に出発したとは考えにくいので、既に1315年11月15日だっただろうと思われる。が、一応表ではこのようにした。

目立った事件

  • オポルトの軍勢、関所の近くから出立。街道のルートをとっているらしい様子から、ツーク方面へ向かうらしい事がわかる。昨晩報告された残党を狩る為であるらしいが、何故山道の道を選ばなかったのかは不明。次の第--話内の図版から察せられるように、二手に分かれる直前の道で餌となる盟約者団達が控えていたのだろうと思われる。それでレオポルトはラスト、あのように判断したのだろう。

第32話「モルガルテンの戦い(その3)」:『Harta』vol.31 / 第8巻

  • ノローグにて「1315年11月15日」。
  • 前回から直接続く。今回、作中で1時間も経過してないのではないか。

その他、ヒントになるかもしれない細かい推察

目立った事件

  • 前回に引き続き、シュヴァイツの盟約者団の残党を追って街道ルートを進み、エーゲリ湖東側を進む。

第33話「モルガルテンの戦い(その4)」:『Harta』vol.33 / 第8巻

  • 前回から引き続き、モルガルテンの戦いの描写であるため、1315年11月15日になる。モノローグでも改めて「1315年11月15日」の「早朝」であることが繰り返されている。
  • 前回から直接続く。今回、作中で1時間も経過してないのではないか。

目立った事件

  • 前回に引き続き、シュヴァイツの盟約者団の残党を追って街道ルートを進み、エーゲリ湖東側を進む。レオポルトの大軍、ついに街道を北上する残党軍に追いつく。
  • 1308年にフリードリヒとレオポルトの父であったアルプレヒトが身内によって暗殺された事に関する回想が挟まれる。

第34話「モルガルテンの戦い(その5)」:『Harta』vol.35 / 第8巻

  • 前回から引き続き、モルガルテンの戦いの描写であるため、1315年11月15日になる。今回も、作中で1時間も経過してないのではないか。

目立った事件

  • 前回に引き続き、シュヴァイツの盟約者団の残党を追って街道ルートを進み、エーゲリ湖東側を進む。ここから盟約者団、形勢逆転する。前方をふさがれた上、第--話「モルガルテンの戦い(その1)」でその存在は認められていたシュヴァイツの盟約者団の一団の残り(※こっちが本隊だった。現在の地理状況だと図案で提示された移動経路を通るのに対し、ほぼ平面に3㎞程度に向かうだけなので時間はかからないだろうが、当時の地理状況だとどうであったかは不明。)が背後を押さえる(※どういう移動経路を通って来たのか、また、この日に至るまで何をしていたのかは不明)。
  • ウーリ及びウンターヴァルデンの盟約者団も合流。東側の崖の上からレオポルトらと対峙する。

第35話「モルガルテンの戦い(その6)」:『Harta』vol.37 / 第8巻

  • 前回から引き続き、モルガルテンの戦いの描写であるため、1315年11月15日になる。今回も、作中で1時間も経過してないのではないか。

目立った事件

  • 前回に引き続き、盟約者団優位の戦闘。レオポルトは戦線離脱を目論む。

最終話「モルガルテンの戦い(その7)」:『Harta』vol.38 / 第8巻

  • 前回から引き続き、モルガルテンの戦いの描写であるため、1315年11月15日になる。今回も、作中で1時間も経過してないのではないか。(湖の中にそう長く居られるとも思われないので。)

目立った事件

  • 湖へ飛び込んだレオポルトとそれを追うヴァルターがメイン。
  • ヴァルター死亡
  • 後日談的にスイスのその後の歴史が数ページにわたって語られる。

番外編「新兵ゾフィ」:『Harta』vol.40 / 『甲冑武闘』(短編集)

  • 具体的な年月は不明だが、現代のスイスが舞台となっている。

目立った事件

  • 主人公のゾフィが入隊し、現在のスイスのあり方を語る。

 


 

旅にかかる時間についての考察

 旅にかかる時間についての考察。
 中世期の記録上の一例として、ミラノから峠を越えてフィーアヴァルトシュテッテ湖南方(※別称:ウーリ湖)のフルェレン船着き場まで、5泊6日程度かかったとのこと。また、コンスタンツからベリンツォナで大体18日(※運送するものがある場合は)かかるとのこと。(参考図書:『スイス独立史研究』 ※詳細
 また、現代の例になるが、「スイスの道」という全長約35㎞のアップダウンの激しいコース(※北はブルネン、南はフルェレンまでのウーリ湖周辺をめぐるコース)を歩くのに、健脚な者でも2日はかかる、とされている。現代人とはいえ、ハイキング用にかなり軽装で臨んでもそうなのだから(それに道の整備の具合もかなり違うだろう)、その点を踏まえつつではあるが、14世紀当時の人々がどうだったかを考えるのには、参考になるだろう。(参考図書:『大学教育の構築 西洋史からの試み』 ※詳細

 スイスの道に関しては、他にも、以下のWEB上で公開されている旅行日記が参考になると思う。
・『夫婦で歩くスイスアルプス
 あと、これも。
・『スイス観光局』-「The Swiss Path - Hiking in Historic Cantons」(※日本語版もあるのかは分からず。英語で紹介されているページをここでは挙げています。)  また、スイスはハイキングというものを好む傾向にあるらしく、数ある現代のハイキングコースの一つに、スイスを南北に貫いてひたすら歩くものがあり(ルガノ~キアッソまで!)、現代と14世紀当時の道の状態や装備の差はやはりあるだろうが、これの所要参考時間も参考にはなるだろうと思い、ここで取り上げておく。とりあえず、ここでは、盟約者団イタリア方面本拠地であるルガノ~南北にスイスを通る旅人の一般ルートの最中までに当たるルツェルンの辺りまでについて触れておく(※それにルツェルンまでのルートは、レオポルトの居城に向かうヴォルフラムさんも用いていただろう、と思われるので。そこから先は馬か川を下って城の近くまで行っただろうと思う。ハプスブルク城がレオポルトの居城に設定されているとすればの話だが)。
 現在の道を徒歩で歩く場合、ルガノ~ザンクト・ゴッタルト峠までは約35時間30分、ザンクト・ゴッタルト峠~フリュエレンまでは約17時間かかると考えていいだろう。例え、乗馬+軽装であっても、馬に乗れないような場所もあるらしい事は、本編第1話でも既に触れられている。なのでやはり、例えば峠~ハプスブルク城の片道だけでも、どんなに急いで上手くやっても1日はかかるだろうし、特に急ぐ必要もない通常であれば、数日かけて行くのではないだろうかと思われる。
 あと、基本的に、当時の人々の時間の感覚は修道院が知らせる鐘の音で成り立っていたとされており、夕方に鳴らされるもので一日の生活は終わったようなものだった。明かりもお粗末な時代なので活動は殆どできず、夕食もさっさと食べて済ませてしまったとされるほどである。よって、当然の事ながら長距離を移動する者たちは(※取り立てて急ぐ必要が無い限りは)、鐘が鳴る夕方までには宿に泊まるなりをする必要もあったはずなので、そうした点に於いても、移動にはかなりの時間を要したと考えた方が無難かと思われるのである。

現在の場合の所要時間と距離の目安【南→北の場合】
ルガノ~テッセレテ 約1時間30分 5km
テッセレテ~ベリンツォナ 約7時間10分 20㎞
リンツォナ~ビアスカ 約5時間50分 24㎞
ビアスカ~ラヴォルゴ 約7時間 19㎞
ラヴォルゴ~ローディ 約4時間5分 13㎞
ローディ~アイロロ 約4時間10分 14㎞
アイロロ~ゴッタルト峠 約2時間30分 8㎞
ゴッタルト峠~アンデルマット 約3時間20分 13㎞
アンデルマット~ヴァッセン 約3時間 10㎞
ヴァッセン~アルトドルフ 約7時間45分 28㎞
アルトドルフ~ルツェルン 約1時間 3㎞(※ここのみ船移動していると思われる)
参考源『SwitzerlandMobility』-「ViaGottard

          

チューディの歴史書『スイス年代記』に書かれているテル周辺の出来事についてのまとめと、伝説と『狼の口』のテル父子の年齢についての考察

 チューディの歴史書『スイス年代記』に書かれているテル周辺の出来事についてのまとめと、伝説と『狼の口』のテル父子の年齢についての考察。

  • 1304年、神聖ローマ帝国帝王(要はハプスブルク家のアルブレヒト)が、森林三州にゲスラーなどの代官を派遣し始める。
  • 1305年、代官の横暴が目立ち、帝王にこれを訴えるも聞き入れてもらえず。
  • 1306年、ウンターヴァルデンの農夫・バウムガルテンが、妻に色目を使った代官を(彼の入浴中に)斧で殺害。
  • 1307年、代表者たちが会合を開く。また、ゲスラーの帽子の件、林檎射撃の件、ゲスラーをテルが殺害する事件などもこの年に起きたとする。
  • 1308年、農民たちが一斉蜂起し、代官の城を襲う。そして代官たちは追い出される形となった。
  • そして人々は同盟を近い誓い合う事になる(※リュトリでの永久同盟のこと)……という風に、チューディは伝説と史実を繋げている(※補足すると、彼は特に好意的に解釈しているが、彼の時代はテル絡みの伝説は史実だったとして扱われていた)。

 チューディが何を以てしてこんなに具体的に年代を定めたのかは不明だとされる。ただ、19世紀初めに至るまで、彼のこの本は信頼のおけるスイスの歴史書として認められており、シラーが参考図書としたのもこの本であった。また、チューディ『スイス年代記』によると、林檎射撃の時点でヴァルターは6歳にもなっていなかったという。(参考図書:『ウィリアム・テル伝説 ある英雄の虚実』 ※詳細
 と言う事は、それに従えば、本編3話時点でヴァルターはまだ11歳という事になってしまうので、『狼の口』では、ヴァルターの年齢をもっと上に変更しているのだろう。3話時点で見た目は15歳前後に思えるので、むしろ林檎射撃の時点で10歳前後だったのではないだろうか。
 また、テルは伝説で、1354年(80歳頃)に溺れた子供を助けて自分が死んでしまった、とされている(参考図書:『ウィリアム・テル伝説 ある英雄の虚実』 ※詳細)。ここから逆算すると、3話時点のテルは38歳で、ゲスラーを殺害した時には、33歳だったのではないかと考えられる。こちらはヴァルターくんの場合と異なり、『狼の口』でも大体これくらいの年齢だったのではないか、というように思われる。

          

フランス革命周辺におけるウィリアム・テル伝説の受容の歴史について

 フランス革命周辺におけるウィリアム・テル伝説の受容の歴史について。
 代官の城を森林州が襲い、代官自身が短剣で応戦する、というものは、1794年にフランスにて、ルミエールの戯曲を踏まえてスデーヌが書き下ろしたオペラ(作曲家はグレトリ)にも登場している。尚、代官は森林州を刺し殺そうとしたところで、テルが射た矢によってやはり死亡する。スデーヌのものにしろルミエールのものにしろ、この戯曲を直接読んだわけではないので、詳細は不明。また、上記の例に限らず、テルはフランス革命(1789年)の前後でも好まれたモチーフであったという。ただし、久慈先生がこれを意識してああいう描写をしていたかどうかは分かったものではないので、下手な推測はせず、メモ程度に書いておくに留める。
 ちなみに、シラーによる戯曲の発表は1804年にされた(※1800年~1803年には、スイス史に関する資料収集を始めている)。フランス革命後、その煽りを受けてスイスはその存亡を危ぶまれた上、フランスによって自由を奪われ、蹂躙されていた。1798年には一度、国内のあの有名な同盟も解体させられている(※1802または1803年には撤回されるが)。
 シラーは執筆中、ある書簡に、

スイスの自由がこの世から消えてしまった現在、なおいっそう人々はそれ(スイスの自由)を話題にすることが多くなっています。(『ウィリアム・テル伝説 ある英雄の虚実』P.121 ※詳細

と書いたという。つまり、シラーの描いたテルの物語は、これまでスイスの人々が築き上げてきたもの、人々の憧れであったものが、脆くも破壊されてしまった(と思われた)中で書き上げられたものであった。『ウィリアム・テル伝説 ある英雄の虚実』(※詳細)では更にこの事を、「今は亡きスイスの鎮魂歌(p.124)」であったと表現している。特筆しておくに値する背景であるだろう。また、同書作者は、シラーは、暴力によっていたずらに今を破壊し、無秩序と圧政を招いたフランス革命を快くは思っていなかった。その為、自身が書いたテルの物語の中では、秩序を重んじた描写をし、スイスの人々やテルにこの思想を実現させんとしていた。彼にとっては、社会秩序がしっかりとしており、個人の自由も保たれている事が理想的な姿であり、テルで表現しようとしたのもそれだった、と述べている(※1815年3月20日ウィーン会議にてスイスは永世中立国とする事を認められる。)。
 その後、シラーの戯曲を基にした演劇は舞台であるスイスを殆ど置き去りにして複雑に政治的意図で以てフランスやオーストリアなど世界各国で上演され、愛されるようになる。例えば、こんにち、最も知られる形であるロッシーニの歌劇『ギョーム・テル』がパリのオペラ座で初演された1829年は、七月革命が起こる直前であった。ウィリアム・テルは世界的に、独立や自由のシンボルとして持ち上げられたのである、とされる。
 今回の項目の参考図書は、『ウィリアム・テル伝説 ある英雄の虚実』(※詳細)。他にも、WEBサイト『swissinfo.ch』-「スイスが永世中立国になった日」も参考にした。

          

ヴァルターの最期についての一例

 ヴァルターの最期についての一例。
 1846年に青少年向けのものとして発表された『テルの息子』という、スイスの作家・イェレーミアス・ゴットヘルフの作品で、モルガルテンの戦いにテルの息子(ヴァルターの事だろう)が参戦し、勇敢に戦った後に戦死する、という描写があるという。この作品は当時のスイス情勢を背景に持って書かれたものである(『ウィリアム・テル伝説 ある英雄の虚実』pp.150-151参照 ※詳細)。もしかしたら、『狼の口』はこれを取り入れているのかもしれない(またはテルの息子を活躍させる、という同じ発想に至ったのかも)。

 

  

参考文献

この項目まるまる2020/08/17に追記しました。上記中にて紹介した参考文献(※WEBサイトは除く)の詳細を記載しておきます。

 

  スイス独立史研究

著者
瀬原義生
シリーズ名
Minerva西洋史ライブラリー
出版社
ミネルヴァ書房
発行日
2009/11/05
ISBN
978-4623055319
値段(税抜き)
6000

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  ウィリアム・テル伝説──ある英雄の虚実

著者
宮下啓三
シリーズ名
NHKブックス
出版社
日本放送出版協会
発行日
1979/07/20
ISBN
なし
値段(税込み ※出版当時)
650

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  大学教育の構築──西洋史からの試み

著者
斎藤泰
出版社
南窓社
発行日
2008/02/15
ISBN
978-4816503658
値段(税込み ※出版当時)
2300

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