始めは全体の半分

為せば成るというやつですな。PC向け表示推奨です。

【狼の口】モルガルテン月間中のぼやき2020

 

前回、もうログでまとめたりはしないよ的な旨言ってましたけれども、モルガルテン月間になんだかんだまとまったぼやきを(Twitterで)していたので追加しました。

 

 

ログ本文

狼の口のモルガルテン、おまえーーー!としか言えない形で矢カッコカリが再登場するので、そこに思いを馳せると気持ちが迷子になる。リアタイ時ほどの怨念にはまみれませんが。

XXXX | twetter

"

 

自分で言っててなんだけど、あれが矢だと仮定したら、やっぱりテルの矢とはだいぶニュアンスが違ってくるというか。そこには至りようがない。 ヴァルターくんが放つ矢も、結局はこう、無私のための、でも(父と違って度重なる)殺人によって切り開こうとする矢でもある。

XXXX | twetter

"

 

狼の口は応援しているのだろう民衆側に対しても暗にやたらヘビーに叩きのめしてる作品だと思うところがあまりにもある。今年散々そこについて触れたけども。

XXXX | twetter

 

そして紆余曲折をへて、一読者としてどう読めばいいのか分からないというところにいつも落ち着いてしまうのですが。おしーえてーおじいーさんー。

XXXX | twetter

 

完全に民衆側に寄ってカタルシス!っていうのも違うと思うんですよお、いつも言ってるけどー。そういう感想見る度に引っかかる。いや、好きに感じるといいよなので、引っかかるっていうのは、私はそう言われるだけだとそうは思わないという意味であるのですが。

XXXX | twetter

 

作者はモルガルテンの戦いを描きたかったというのが執筆にあたって一番最初にあったようなので、普通に考えて、「戦う人」であるところの人たちをその下で支えていたはずの「農民(を中心とする人)たち」が戦略によってひっくり返すその力に魅力を感じたのだろうということは分かる。大前提。

XXXX | twetter

 

たぶん、短編集みたくそこだけ切り抜いてたらそのへん普通にそのまま受け入れられたけど、長編として描かれて、結局そこがめちゃくちゃに入り乱れることになったと思うんですよねえ。どちらにも皮肉の目は向けているし、民衆側の正当性に対して、歴史とは切り離し作品として懐疑的な眼差しを向けている

XXXX | twetter

 

というふうに私は読んでいる。その上で、でもあれはどうしてドゥーなのとも思いこんがらがってるのは今年すでに改めて語りました省略。

XXXX | twetter

 

ヴォルフラムさんはサディズムのある残酷さがあり、自己中心的でやたら厳しいけど、よく言えば向上心豊かでやりたがりであり、基本的には普通の人に寄ってると思うのよな。異常ではない。

XXXX | twetter

 

でもそれは盟約者団側にもそれではないモブにもハプス側にも等しく描かれていることで、問題は互いへの無関心や見たいようにしか見ない、見えるようにしか見ないにあると思って作品を理解しているよ、私は。

XXXX | twetter

 

盟約者団たちもまともな部屋を見て戸惑ったとき、そこに異常者の仮面を見るんじゃなくて、自分たちとの合わせ鏡を認知すべきだったのだけど、それよりも、拷問部屋とか込み入った砦内部の複雑さを目の当たりにして相手を見て安心しているところに皮肉を感じてもいます。

XXXX | twetter

"

 

いつも言ってる気はするけど、彼ら全員、互いを同じ人間としては見ていないところがあるのよな。中世~~~。 ゆえに、あの世界じゃ、どちらかがどう出たところでって感じではある。穏やかに互いが歩み寄れるように均衡を得られる道なんてない。ハプスが初めから民主的にやってりゃいい問題でもない。

XXXX | twetter

"

 

ゆえに、ヴォルフラムさんを単純にひとりのやべえやつとして見る向きは私にはないのよな。ヴォルフラムさんがそういう意味でやべえやつなら、あの作品に出てるやつだいたいみんなやべえやつになるし、そういうことめちゃくちゃ言ってきましたが。

XXXX | twetter

 

拷問部屋なんかはあって当然なのに胸くそ悪いって言うように、お互いがただ純粋に自分の正義になんらの疑いがない、自分の行為の正統性をかたく信じているところとか、狼読んでて好きなんですよね。その割に最終的にどう捉えたらいいのか分かんないのでいつまでも困ってるんですが。

XXXX | twetter

 

中世~~~とは言ったけど、その相容れなさがたぶん現代にもしつこく通じるところでもあるとは思うので描かれてるんだとは思う。虐げられたものが勝つとか民衆パワーでスッキリとかそこに中心があるわけではないと思うのよね。

XXXX | twetter

 

こないだも言ったけど、それだけなら初めから描く目的だったモルガルテンだけ短編でやったりゃいいのに、なおかつああいう長編にしてそこに溜飲くだらせてただスッキリはさせないようにはなってもいるので、カタルシスー!っていうのは私にはほんとに分からない。

XXXX | twetter

 

虐げ描写すらもそもそも決定的なくらいのものはむしろ無いに等しいもの。あるのは反抗的な人とその応対顛末だもの。一応、どっちもマトモではあるんですよね、そもそも。互いに互いの捉え方が致命的なんだよな。そこはめちゃくちゃ丁寧に描いてると私は思っている。

XXXX | twetter

 

最後ももう互いへの無理解をただはっきりと突きつけて終わったようなものじゃんね、あそこまて惨たらしく描かれてきたヴァルターくんの口を通していささかホラーちっくに。ちびる。

XXXX | twetter

 

そういうのがいくとこまでいった関係を描いたものなのかなとはその点考えると思うけど。民衆たちの歌が聞こえるかみたいな甘さはまず全くない。ひたすらに憎い、決別!!!みたいな。自分たちの道を自分たちで掴んだけど、血まみれで閉鎖的な、でも誇り高い、自立への道というか。番外編まて含め。

XXXX | twetter

 

でも、タチムカウに着想得ましたとか本編でもいろいろ、結局単純にカタルシスに持っていきたいだけなのかと思うような節を見せてもいるのでほんとに謎。いつまでも謎。

XXXX | twetter

 

帯のゲーテの魔王に着想されてるのが明らかなものを二巻に記載してたり、四巻ぐらいで「荒野の狼」という比喩用いてたり。荒野の狼は明確ではないけど、連想としては自然とヘッセのがくるじゃないですか。これにおける荒野の狼が指すものって分裂なので、なんかもうヴァルターくんが切ない。

XXXX | twetter

 

五巻だ。

XXXX | twetter

 

前にまとめたときは明確ではないのでヘッセの作品を示唆していることは補足にも省いたけど、私はあきらかそこ意識してる帯文だと思っておりますよ。

XXXX | twetter

 

あの作品ほんとヴァルターくんの扱いが残酷なので、タチムカウじゃねーーーやいとは作者発言とはいえ思うのだわ。英雄なき世界の話を、そう取り繕いながらも英雄の息子にひたすらに背負わせるというヴィリアム・テル変奏曲といった感。元にするネタをいくつも故意に膨らませてのあの長編なのよ。

XXXX | twetter

 

「ああ、私はすべてを理解した。パブロを理解し、モーツァルトを理解した。自分のうしろのどこかに彼の恐ろしい笑いが聞えた。自分のポケットの中の生命の遊戯の幾十万の姿をことごとく知り、その意味を察知して心を打たれ、その遊戯をもう一度始め、その苦悩をもう一度味わい、」→

XXXX | twetter

 

→「その無意味さにもう一度おののき、自分の内部の地獄をもう一度、いやいくどでも遍歴しようと思った。いつかはこの生命のこま遊びをもっとよく演じるようになるだろう。笑うことをおぼえるだろう。パブロが私を待っていた。モーツァルトが私を待っていた。」

XXXX | twetter

 

(ヘッセ『荒野のおおかみ高橋健二訳、新潮文庫、p.346)

XXXX | twetter

 

ヴァルターくんにも盟約者団にも、この作品が最終的に描ききった明るいものへの希求はないと思うんですよね。そもさんアウトサイダーとして生きようとせず、どろどろに互いに溶け込み引きずり込み分裂する。未来に希望を持たせているようで、あんまり読んでてその爽快さは感じられない。

XXXX | twetter

 

分裂し、絶望し、溶け込まされ、しかしひとり。みんなが苦しんでるからおまえも苦しめ、そしておまえはこれを背負えの世界で現れる幻たちも、けして彼を前進させるための幻にはならないんですよ、ヴァルターくんのばあいはーーー!!! 彼が何をしたというのかというくらい重荷がやべえんだ。

XXXX | twetter

 

何かアドバイスがあっても、みんなのためにこれをしろ、あれをしろだもの。おそろしい社会だよ。

XXXX | twetter

 

荒野のおおかみモーツァルトが言ったような真剣な、でもおそらしい望みを、それほどまでには誰も真摯にヴァルターくんには掛けてやらなかったんだよ。おれ怒ってるの!!!

XXXX | twetter

 

荒野のおおかみは特攻して散らねえんだよ!!!! 止めもせず散らせてるんだもの!!!!

XXXX | twetter

 

魔王の響きが沁みる最終回なんですよね。死に連なる森の精の王がいるのに、父親は息子を抱きそこを走る。

XXXX | twetter

 

ほんとテルがえぐい。今年ずっと言ってるけど、テルがえぐい。

XXXX | twetter

 

ほんと結局のところどういう方向に描きたい作品だったのだろう。方向性は示されてるけど、素直に飲み込めないものも同時に示されてるよなというか、その示されたもので余計混乱まねいてるのよな。私の中では。

XXXX | twetter

 

このへん考えると、どうしてあそこまでテルの息子を万能にして活躍させまくったのかというところも引っかかるのよな。パロディしつつ、伝説通り最後にモルガルテンで死んでもらうという流れ上、ああなるというだけにしても。わからんわからん。

XXXX | twetter

 

そもさんパロディしてるわりにそれを否定してるわりに彼を特出したれっきとした英雄に祭り上げている上でさいごまで絞りきって死んでもらいまでしているっていうお話じゃないですかー。

XXXX | twetter

 

立ち上がる虐げられた者たち、彼らを理解しない富める人々といえ構図も破壊されているし。マジ、方向性示されない方がよか……よか……。

XXXX | twetter

 

と思いそうになるけど、たぶんまだまだ私の理解が追いついてないだけで、読めてないだけだとも思うのだわ。

XXXX | twetter

 

ほんそれななんである。法なんですよー。ヴォルフラムさんが自らの正義を疑わないのも法にある。彼からしたら盟約者団は共同体に存在する無法者の集団なのよ。

XXXX | twetter

"

 

何が残酷で、何がああなって当たり前なのかなんですよー。なーにがカタルシスじゃと思うのよ。いまのところ私は。 ずっと言ってるけど、彼らが互いにに対して実際のところ無関心だったところに問題があるんですもの。互いの正義をただふるっていた話なのだもの。そしてそれは現代のいろいろにも通じる

XXXX | twetter

"

 

公権力のもと、当時の法と価値観に則って処刑しました拷問しました無法を犯したけど可哀想なひとたちを見逃しませんでしたを「こいつはひどいやつだ」とする見方ありえなくない?と私は思うわけで。圧政描写も大してないから、そこまで盟約者団におおいには加担して読みようもないと思うんよ。

XXXX | twetter

 

描写的にはむしろ中立から読めるようになってると思うんよ。なので、大いに盟約者団に同情した読みをする人たち、最後にすっきりしたものを感じる人たちが具体的にどう物語を読んできたのか本気で気になるんですよ。絶対私にはない視点が存在するはずなので。何も考えてないならアッソウデスカですが

XXXX | twetter

"

 

盟約者団は、めちゃくちゃ簡単に言えば(※作品のいうところだけでまとめれば)、過去に享受できていた自分たちにとって利益のあったものが、支配者が変わって奪われてしまった! 我々は貧しくなった! 取り戻せ全てを!!! 支配者いらない! で、別にそうあろうとするのは分かる。

XXXX | twetter

"

 

彼らが彼らの計画がその公権力に頓挫されてぐぬぬるのも分かる。彼らは彼らの目的を果たしたいだけの話で、ぶつかり合うのは当たり前なので。彼らが努力し、打ち倒すのも分かる。それしたくてまあ……頭冷やせよ……もあるとはいえ、邁進してんだから。でも、彼らに偏って応援できるのはわからん。

XXXX | twetter

 

マジでわからん。

XXXX | twetter

 

どうやら圧政を強いて彼らを貧しくしているらしい権力に対し、頑張って独立の道を模索するその姿に応援したさ要素が現代人にはいろいろ思うところあるのかもしれませんが。でもそう振り切るにはあまりにも視点が定まらない仕掛けになってるよなと思う。

XXXX | twetter

 

そうした作者の仕掛けを無視してるの?

XXXX | twetter

 

作者の仕掛けでなく作品の仕掛け。

XXXX | twetter

 

改変されまくっているので(作品にとって都合が悪い点も多々あるし)、史実のほうからの視座は切り捨ててもこう思うのだけど。

XXXX | twetter

 

何度も言うけどやはり、せめて(せめて)ヴォルフラムさんがもっと盟約者団やその影響のもの(リーゼちゃんたちみたいな)と関係ないところで仕事してる様子とかも見てみないことには何も言えないと思うのよな。

XXXX | twetter

 

昔から言ってるけど、マジでヴォルフラムさんはただ自分の仕事を謳歌しながらやってるだけだし、公権力の側に立って当たり前のことしてるだけで、勧進帳ごっこなんかするほうがおかしいし、そもそも条件も違うし。

XXXX | twetter

 

でも作者的には盟約者団側に偏った読みを期待している節が感じられるわけで、ならなんでこういう長編を描いたのかが余計にわからんので私は困っている。

XXXX | twetter

 

ほんとみんなには何が見えてるのか。

XXXX | twetter

 

皆さん地獄行きですよがまったく分かり合えなかった瞬間のあの紙面の空気感好きなんですよね。

XXXX | twetter

 

というより、あの瞬間にこの作品のすべてが詰まっているのではと今思いました。

XXXX | twetter

 

まえも言ってたらしらん。だいたいいつも皆さん地獄行きですよは好んで言っているので覚えてない。

XXXX | twetter

 

スイスが選んだ道を否定するものではないし、むしろ史実の道のりのほうはだいたい好意的に見ている。うーん。まだなんか悩み期間が引きずっている。

XXXX | twetter

 

狼もそういう道程の肯定を描くものだとは思うんだけどねー。んあー、わからん。落としどころが分からん。

XXXX | twetter

 

お代官さまに対する仕打ちオーバーキルについては単に私がどう思うかなので(そもそも対立関係させつつ恨みの極点を演じさせられてる時点で彼の死はあって然りではある。このへんの細かい是非はもう話しすぎてるくらい話した)、そこ抜きでもっと普通に物語の枠を俯瞰して分からん分からん言うている。

XXXX | twetter

 

実際の歴史の、紆余曲折っぷりに好感持ってるのもあるので(狼は問題をバッサリと簡明にしている)、そこについ頭がいくのもあるんだろうけども。ヒーローなき邁進、それは狼も描こうとしてるのに、じゃあヴァルターくんはなんなのか。スイスの精神的支柱となったテルのその役割をどうしたいのか。ヌアー

XXXX | twetter

 

狼の口テルをどう見るかとか、他人様の感想を聞きたいーンアー。あのえぐすぎるよなテコ入れについて。

XXXX | twetter

 

狼の口から私が感じるの、同調圧力なのよな。盟約者団から感じるのは近代の日本(WWとかそっち)にも通じるものなんだもの。

XXXX | twetter

 

作品が本来目指すのはむしろその真逆のものであるはずなんですが。

XXXX | twetter

 

あと、ヴァルターくんを応援するならなおさら、作中の盟約者団の在り方に疑問を持つと思うんだけど、そのへんも割とひと様の感想見かけると不思議なので、もうちょっと長大に話してくださらんかと気になって気になって。

XXXX | twetter

 

狼の口再読独行会まとめ記事一覧

attendre-et-esperer.hatenablog.jp

attendre-et-esperer.hatenablog.jp

attendre-et-esperer.hatenablog.jp

attendre-et-esperer.hatenablog.jp

attendre-et-esperer.hatenablog.jp

attendre-et-esperer.hatenablog.jp

attendre-et-esperer.hatenablog.jp

attendre-et-esperer.hatenablog.jp

attendre-et-esperer.hatenablog.jp

attendre-et-esperer.hatenablog.jp