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【狼の口】狼の口再読独行会まとめ | EX2(2021年9月分)

記事作成日:2021/11/11
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 Twitter上でぼやいていた『狼の口《ヴォルフスムント》』に関する感想ログです。普段からぼつぼつ何かしら呟いてはいてそのいちいちをまとめてはいないのですが、まとめておいても良さそうな一塊だったのでまとめました。また、過去に同作品の感想ログを作成していたりもしています。末尾にてリンクを付けておきます。本文中の〔〕はまとめるにあたって補足した文章になります。既に露見しまくってることですが、私は盟約者団にやけに厳しいぞ。

2021年09月分のまとまった感想ログ

9/20

 

狼の口は描いてる内容の根本的なところがどこもとことんフィクションか非現実的な行動で成り立ってるのもあるし、前にもいったけど〔※過去ログ参照〕、あれは14世紀ごろのスイスの歴史に則った歴史漫画なんかではなくて、一つの伝説的なものを描いてるものだと思うんですよね。でなきゃ行動が謎。聞いてるか盟約者団。

1829 | twetter

 

彼らの行動の背景もどえらい潔癖なくらいシンプルでそぎ落としされまくってて歴史的な視座がそもそもないというか、ほんとにご都合的なお話として語られているのだ。〔もっと言えば、日本を含んだ国内外で培われてきたイメージとしてのスイスの印象を増幅させた上で成り立っている作品といえるだろう。その意味で「歴史的な視座がそもそもない」とは言えないのだが。日本におけるスイスという国の捉え方の変遷などもそもそも歪んでいるものがずっと続いていたところがあるのだけれど、そういう歪みがやや形を変えて本作にも垣間見えるようには思う。〕

1834 | twetter

 

人々のどこまでも続くうねりを無視して簡略化して最後までぶっ飛んでああいうものを描いたもので、短編とかも割とそういう傾向はあるので(オハナシなんだからそれはそれでいいんですけど)、そこを無視するのは至極難しいだろう薔薇戦争〔※久慈氏の新作のこと。『鋼鐵の薔薇』。〕はどうなるのかはやや不安を抱いてはいるところ。

1837 | twetter

 

前も言ったけど(ログ範囲になってたか知らんけど)、私は、あの作品はテル伝説の続編ないし亜種を描こうとするものだけど、その方向性はある種すごく冷ややかでもあると思っている。大衆たちの奮戦を描きながらも蠢くような気味悪さがあるというか、清々しさはまるでない。〔思うことはもろもろあるけど、〕ちょっと八つ橋で包んで言う。

1846 | twetter

 

こないだも〔※たぶんこないだとやらにもぼやいていたのだろうが、ログに残しそびれた。確か、「彼らはルサンチマンを隠しもせずに行動をしているところがあって、それがまたすごく気味が悪いし気持ちが悪い」という話をしみじみとしていた気はする〕、ルサンチマンを隠しもしないとか、つまり自分たちの行動原理をずるずる引き回して糞便まみれにしても構わない地をはったようなところが彼らの強さでもあるんでしょうけど、

1852 | twetter

 

近代~現代的(よりいえば大戦頃)な社会の歪みに見いだされるようなものすら肯定したような彼らの態度を表向き肯定的に描いてるのがなかなか。14世紀スイスの話であるんですが。スイス史に着目してもいっそ皮肉的なのよあの描き方は。なのでいつまでたっても理解できないのよあの作品が。

1853 | twetter

 

少なくともあくまで狼の口という作品で描かれたスイスの民というか盟約者団たちの行動と結末を〔読者含め、スッキリした、これで〕良しとすることは恐ろしいものがあると思ってんですよね。極端なナショナリズムなり全体主義みたいなもんですよね、あれだと。血と土とかナチズム的なこと言い出しても驚かんわ。聞いてるか盟約者団。〔※つまるところ、大戦期のスイスを含めたもろもろのイメージが本作には影を落としているはずなのにすごく皮肉的な結果になっていると私は解しているという話をしております。〕

1900 | twetter

 

素直に、自分たちの力で自分たちの権利を勝ち取れというシンプルな話でもあるというのは分かっておりますが、それにしたって全体通しての描写がいちいち懐疑を持てるよなという話でもあります。〔※過去ログ参照〕

1902 | twetter

 

盟約者団の行動っておもくそ大戦期のあれこれを彷彿とさせるもので、それで私なんかはいつもいつまでも盟約者団をキモイキモイと繰り返してたりもするのですが、たぶん久慈氏がそこに気がつかないわけがないので(たぶんミリタリー好きそうだし)、そこの意図もうまく組めない〔正しくは汲めない〕ので分からないのだ。

1912 | twetter

 

マエモイッタなんですが。ほんとわからんのだ。

1913 | twetter

 

あの作品においてハプス側のが〔あれでも〕よほどはるかにマトモに描写はされてたので、民衆らのほうがはるかに無秩序かつ意味が分からんでもあったと思ってるんですよ〔※ある意味史実に忠実ではあるのですが、本作の意図が迷子になる〕。私がハプス側に好感持ってるとか関係なくね。

1934 | twetter

 

それにしたって全体的に削ぎ落とされてシンプルになってるとはいえ、それでもなお描写が足りないとも思うんですが。こまけえこたいいんだよの意志は感じている。

1938 | twetter

 

あくまでそういう近現代に特に見られてきた極端な思想と非常に近いところにいるよねーという程度の話である。彷彿とするように描いてるつもりがなかったら何をお考えで?とはやはり思うのですが。

2000 | twetter

9/23

 

そしてまた唐突に狼の話になりますけど〔※上記までの話の流れとは異なる〕、土地のために結託して戦っている(ということに狼の口作品上ではなっている)人々をリークすることでのんべんだらりと生きて、しまいにはここから逃げ出そうとするエヴァちゃんたちを許さずに始末するのは分かるけど、あそこの女将の言い分はムカつくのよな。

0136 | twetter

 

生きることは戦いなの!って一方的に自分の行いの正しさを主張して正義の剣をきもちよーくふるい落としてるだけなのよな。まるで盟約者団のふるまいそのもの。おそろしやおそろしや。

0137 | twetter

 

土地のために結託云々ってのは、作品上では明確に確たる信念を持ったなんかこう清いものとしてという意味です。

0138 | twetter

 

おのれ盟約者団め。

0138 | twetter